元ブログラマの私としては、「凄い!」と喜ぶニュースでした。

まだ都市部の開発会社にいたころ(ちょうどWindow 3.1が安定してきた頃でした)、「パソコン」でデジタル道路地図を使って、最短ルート計算や巡回セールスマン問題を解法するプログラムを利用して、配送計画などの業務アプリケーションを作っていました。
ご存じのようにWindow3.1は、16ビットのOSです。当時のデジタル道路地図のデータは、全国で250万程度の交差点情報(ノード)を持っており、その交差点ごとに最大8本の道路(リンク)を持つような構造になっていました(現在もおそらく似たような構造になっていると思いますが、情報量は格段に増え、300万以上の交差点情報を持っているとはずです)。
このネットワーク情報を解析しやすい構造にし、最短ルート計算(ダイクストラ法)や巡回セールスマン問題の解法方法を使って、「パソコン1台」で実用に耐えられる業務アプリケーションを「よって集って<たかって>」作っていました。ワークステーションでもなく、それより大きいコンピューター(当時はコンピューター計算機といっている人が多かったですが)でもなくパソコン1台でというところが、大きな壁でもあり楽しみでもありました。何とか実用に耐えれれるシミュレーションアプリケーションが出来上がってときは、大きな喜びでした(当時、大手の開発会社から「町工場」に近いベンチャーのソフト会社が驚異的な精度で計算することを称賛されたことは、当時の開発スタッフにとっては誇りでした)。

今回のGPS将棋はクラスタ版で出場で、ほぼ完ぺきな勝利だったようです。クラスタ版なので、600台超のコンピューターが動作して対戦しました。PC版でも十分に強いらしいので、是非、次の機会には、PC版で対戦し勝利をおさめてほしいものだと思いました。ソースコードも公開されておりますので、小さいコンピューターで最強になるようなコードを書く若者が登場するのも楽しみです。

GPS将棋には、Amazon EC2 も使われているそうです。その意味では「小さいコンピューターで」というの過去の技術者のこだわりよりも仮想化したクラウドの「お気軽に」稼働するプログラムへの「こだわり」が、エンジニアのとっての「次章」かもしれません。
強力なコンピューターリソースを安価に提供するAmazon EC2のモデルは次のITソシューションのコアとなるような感じを、電王戦で感じたしだいです。