2021年 4月18日に告示された豊岡市長選挙。結果は、当初の現職有利の予想を覆し、元市議会議員の関貫久仁郎氏が当選した。

この選挙結果後に、NHKのクロ現(クローズアップ現代)で、“ジェンダーギャップ解消”のまち 理想と現実 をという番組を見た。https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4556/
※NHK政治マガジン にも詳しく取り上げてられているので参考になる
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/61842.html

私は、豊岡市の凡庸な市民の一人だが、この番組を見る前に、「ジェンダーギャップ解消の旗振り役」だと前市長のことを全く認識していなかった。毎月全戸に配布される広報には目を通しているので、「豊岡市ジェンダーギャップ対策室」ができたことは知っていた。
しかし、NHKの番組で、「街をあげた取り組みが動き出し、全国的に注目され始めた。」という話であったが、私の感覚では、街をあげた取り組みという印象は受けていなかった。
全国的に注目されていたかもしれないが、この街に住んでいると、全国で注目されてから市民が知るという傾向があるので、全国的に注目され始めていたかもしれないことは否定しない。

私のよく知るある若い市民(40代そこそこ)は、 選挙結果後、 私に次のように話してくれた。

豊岡市民は本当に馬鹿だよね、これで4年間を棒にふる感じやでぇ、前市長は、ボクらの見えている景色と違う遥か先をみとんなる感じがするやろ。口だけで、なんもやらへん首長より、劇団のことも含め、なんかやってみる首長の方がいいと思うけどなぁ・・・

彼の意見は、 私には、 しっくりこなかった。
NHKの「政治マガジン」に次のような市民の声を上げている。

「コロナ禍で多くの飲食店が苦しい状況に陥っている中で、演劇やジェンダーギャップ解消のような“外向き”の政策よりも、生活に目を向けた政策をしてほしい」(飲食店経営)
出典:https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4556/

未来や将来の方向性を見据えた計画やビジョンがあるのであれば、やはり、その中身を、多くの市民に理解してもらう努力をするのが、政治家のつとめだと思う。どれほど、崇高な計画でも市民を巻き込む盛り上がりがないと継続しないと思う。

最初に紹介したクロ現は、おそらく前市長が当選するという想定で、撮影がスタートしていたと思う。しかし、編集がよくできており、ジェンダーギャップというまとめでなく、最後に前市長がコメントするように、首長と市民のギャップという番組に仕上がっていたように思う。

市長選における豊岡市民の投票行動は、私には愚かではなく、市民の人心に響かないと賢い首長でも、権力の継続を承認することはできないという警鐘のように感じられた。

市長選挙後、ある意味、予想通り何も変わっていない。

間もなく、市議選が始まる。今度は多くの新人が選挙に立つようである。
候補者からどんな話を聞くことができるのか楽しみである。